課題解決事例

焼結スプロケットの歯底スケール除去|振動バレル+画像選別全数検査

自動車用オイルポンプに使用される鉄系焼結スプロケット(φ57mm・歯数45)のバレル研磨事例です。熱処理後に歯底や外周部の細い溝に残るスケールの除去を、300ℓ振動バレル機で実施。振動バレル研磨は研磨材がワーク全体に行き渡るため、狭小部位のスケール除去に有効です。さらに画像選別検査装置による全数検査でメディア詰まりも管理し、500個/バッチで安定した品質を実現しています。

お客様の業種

自動車部品製造業

抱えていた課題

歯底・狭小溝部の熱処理スケール除去

熱処理後、スプロケットの歯底や外周部にある細い溝にスケールが残留していました。これらの狭小部位はスケールが除去しにくく、後工程や製品性能に影響を与えるため、研磨材を確実に到達させる加工方法が求められていました。

歯数45の複雑な歯形状のバリ除去

焼結成形および加工時に発生したバリの除去が必要でした。オイルポンプ用スプロケットは歯数45の複雑な歯形状を持つため、各歯に発生するバリを均一に除去する必要がありました。

メディア詰まりの防止と検出

バレル研磨後、焼結金属特有の気孔(多孔質構造)や歯底の隙間にメディア(研磨石)が詰まるリスクがありました。メディア詰まりが残ったまま出荷されると製品不良につながるため、確実な検出体制が求められていました。

早川研磨工業の解決アプローチ

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ステップ1:焼結部品の特性を踏まえた工程設計

鉄系焼結素材の特性(多孔質構造、歯形状の複雑さ)を踏まえ、成形・加工バリの除去と熱処理スケールの除去を両立する工程を設計。特に歯底や外周部の細い溝に残るスケールへの研磨材の到達性を重視しています。

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ステップ2:300ℓ振動バレル機によるバリ取り・スケール除去

300ℓ振動バレル機を使用し、500個/バッチでの加工を実施。振動バレル研磨は、振動によって研磨材がワーク全体に行き渡るため、歯底や細い溝といった狭小部位のスケール除去に有効です。φ57mm・t=16.5mmのスプロケット全体のバリ除去とスケール除去を同時に処理しています。

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ステップ3:画像選別検査装置による全数検査

バレル研磨後、画像選別検査装置を用いた全数検査を実施しています。メディア詰まりの有無を重点的に確認し、研磨材が気孔や歯底に残留した製品を確実に排除しています。早川研磨工業では画像選別検査装置を3台保有し、安定した検査体制を構築しています。

導入後の成果

  • 歯底・外周溝部のスケール完全除去 熱処理後に歯底や外周部の細い溝に残留していたスケールを、振動バレル研磨によって確実に除去。狭小部位まで研磨材が到達し、スプロケット全体のスケールを均一に処理しています。
  • 歯数45の均一なバリ除去 焼結成形および加工時に発生したバリを除去し、歯数45の各歯に対して均一な仕上がりを実現しています。
  • 全数検査によるメディア詰まり品の排除 画像選別検査装置による全数検査で、メディア詰まりが発生した製品を確実に検出・排除。500個/バッチの量産体制においても、検査品質を維持した安定供給を実現しています。

技術的なポイント

焼結金属部品の加工ノウハウ

早川研磨工業は焼結金属部品をメインに長年加工しており、多孔質構造を持つ焼結素材特有の加工ノウハウを蓄積しています。気孔へのメディア詰まりリスクや、素材硬度に応じた研磨条件の最適化など、焼結部品ならではの課題に対応できる技術力を備えています。

歯底・狭小部位へのスケール除去技術

スプロケットの歯底や外周部の細い溝は、研磨材が届きにくい難加工部位です。振動バレル研磨の特性を活かし、これらの狭小部位に研磨材を到達させることで、スケールを確実に除去しています。

画像選別検査装置による品質保証体制

早川研磨工業では画像選別検査装置を3台保有し、全数検査体制を構築しています。バレル研磨後のメディア詰まりを自動で検出することで、目視検査に頼らない安定した品質保証を実現しています。ISO9001に基づく品質マネジメントシステムのもと、トレーサビリティシステムやオリジナル管理システムによるロット管理も徹底しています。

加工情報サマリー

素材 鉄系焼結
製品サイズ φ57mm × t16.5mm(歯数45)
加工条件

300ℓ振動バレル機(歯底到達性を重視した条件設定)

使用設備 300ℓ振動バレル機
補足

500個/バッチ
加工目的:成形・加工バリ除去、熱処理スケール除去(歯底・外周溝部)
検査体制:画像選別検査装置による全数検査(メディア詰まり検出)

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