§ 00Case Study

焼結クラッチの内径バリ・寸法不良を解消
|回転バレルで5,000個/バッチ量産

自動車外装装置用クラッチに使用される鉄系焼結部品(φ21mm×t3.7mm)に対し、200ℓ回転バレル機を用いて成形時の型バリ除去と熱処理スケール除去を行いました。
特に内径部の型バリが倒れ込み寸法不良を引き起こしていた課題に対し、回転バレル研磨の流動特性を活かした条件設定で解消。
5,000個/バッチの量産体制で安定供給しています。

加工情報サマリー

MATERIAL 素材
鉄系焼結
SIZE 製品サイズ
φ21mm × t3.7mm
EQUIPMENT 使用設備
200ℓ回転バレル機
CONDITIONS 加工条件

200ℓ回転バレル機(メディア・薬剤は焼結材専用選定)

NOTES 補足

処理数量 5,000個/バッチ
加工目的:成形バリ除去、熱処理スケール除去

INDUSTRY

お客様の業種

自動車向け部品メーカー(自動車メーカー1次サプライヤー)

§ 01Problem → Result

抱えていた課題と、
研磨後に得られた結果を対で示します。

抱えていた課題

01

型バリによる組付け不良

鉄系焼結部品(外装装置用クラッチ)には、成形時に発生する型バリが残存していました。この型バリが原因で、相手部品との組付けができないという問題が発生していました。

02

クラッチ山部の摺動性低下による初動への影響

クラッチ部品の山部(かみ合い部分)にバリやスケールが残っていると、摺動性が低下します。摺動性が悪いとクラッチの初動に影響が出るため、山部の表面状態を改善する必要がありました。

03

内径部の型バリによる寸法不良

内径部に残った型バリが内径側に倒れ込むことで、内径寸法がマイナスとなる不良が発生していました。内径精度を確保するために、内径部の型バリを確実に除去する必要がありました。

04

熱処理スケールの除去

焼結後の熱処理工程で生成される酸化スケール(酸化被膜)が部品表面に付着しており、後工程や製品品質に影響を与えるため、スケールの除去が求められていました。

導入後の成果

型バリ除去による組付け不良の解消

成形時に発生していた型バリをバレル研磨で除去したことで、相手部品との組付けが正常に行えるようになりました。

クラッチ山部の摺動性向上

クラッチ山部のバリ・スケールが除去され、摺動性が向上。これにより、クラッチの初動に影響が出る問題を解消しました。

内径部の寸法不良の解消

内径部の型バリを除去したことで、バリの倒れ込みによる内径マイナスの不良が解消されました。内径寸法の安定化が実現しています。

バリ除去とスケール除去の1工程同時処理

回転バレル研磨により、型バリ除去と熱処理スケール除去を1工程で同時に処理。工程の効率化にも寄与しています。

§ 02Approach

早川研磨工業の解決アプローチ

  1. 01

    ステップ1:ワーク形状・課題の分析

    お客様からお預かりしたφ21mm×t3.7mmの焼結クラッチ部品を分析。型バリの発生箇所(外周部・内径部・クラッチ山部)やスケールの付着状態を確認し、それぞれの課題に対して最適な加工条件を検討しました。

  2. 02

    ステップ2:200ℓ回転バレル機による加工

    5,000個/バッチの処理数量に対応するため、200ℓ回転バレル機を選定。回転バレル研磨は、バレル槽の回転によりワークとメディアが混合・流動し、型バリの除去と熱処理スケールの除去を同時に行うことができます。焼結部品特有の気孔(多孔質構造)を考慮したメディア選定と加工条件の設定を行いました。

  3. 03

    ステップ3:品質確認と条件の最適化

    加工後の部品をマイクロスコープで検査し、型バリの除去状態、内径寸法、クラッチ山部の表面状態を確認。組付け性・摺動性・寸法精度のいずれも満たす加工条件を追求し、試作加工を繰り返すことで最適な条件を確立しました。

技術的なポイント

POINT 01

焼結部品に適したバレル研磨条件の設定

焼結部品は多孔質構造を持つため、メディアの破片や研磨粉が気孔に詰まるリスクがあります。早川研磨工業では、焼結素材の特性を踏まえた加工条件を設定し、品質を維持しながらバリ除去・スケール除去を実現しています。

POINT 02

内径部バリへの対応技術

内径部の型バリは、内径側に倒れ込むことで寸法不良を引き起こす厄介な課題です。回転バレル研磨のメディア流動を活用し、内径部のバリも確実に除去する加工条件を確立しました。

POINT 03

マイクロスコープによる品質検査

早川研磨工業では、総合倍率8,000倍のマイクロスコープを用いてバリの除去状態や表面状態を検査しています。目視では確認しにくい微細なバリやスケールの残存も見逃さず、安定した品質を確保しています。

POINT 04

5,000個/バッチの量産対応

200ℓ回転バレル機を使用することで、1バッチあたり5,000個の量産処理に対応しています。大量のワークを安定した品質で一括処理できる体制を整えています。

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